警官に射殺されてるのは黒人だけなの?【全米オープンに思う】
大坂なおみが訴えたこと
テニスの全米オープンの女子シングルス決勝が、13日の早朝(現地では12日)に行われました。
大坂なおみ選手が、見事に2度目の全米OP優勝(4大大会通算3度目)!!
課題だったメンタル面が安定してきて、まだ22歳ということも考えると今後もっとすごい選手になっていきそうですね!
日本国籍を持つ選手として初めてのグランドスラム達成も期待できるかもしれません。
大阪出身の大坂さんということで勝手に親近感を感じているし、たまに出る日本語が小中学生にインタビューしてるよう(失礼)な愛嬌があるので、応援してました。
さて、今回、優勝してもあんまり喜びを爆発させませんでした。
その理由が、アメリカで相次ぐ白人警官による、黒人への暴力による致死や射殺事件。
これに心を痛めている大坂選手は、全米OPでの7試合で、被害者の名前が入ったマスクを7つ着用して世界にメッセージを送っていました。
大坂選手自身もハイチ人や日本人の血を引き、有色人種への差別を無くしたいという思いが強いのだと思います。
僕も、数年ヨーロッパに住んだ経験があり、そこではやはり有色人種を差別したり見下す風潮は、実際ありました。(ただそれは一部の人だけで、大半の人たちはそういうところで色眼鏡をかけて接することなく、本当にリスペクトあるいい人ばかりでしたけどね)
小学生くらいの5人ほどの子どもの集団に、電車内でサルの鳴き真似とか、頭と顎を掻く猿マネをされて笑われたときは本当に屈辱的でした。。
話を戻しましょう。
大坂選手はやはり、こうしてテニスをしている間にも、力の、立場の弱い人間が虐げられているという事実を社会に知ってほしいという思いがあったのでしょうね。
ほんまに黒人ばっかり(だけ)射殺されてんの?
ニュースで警官の黒人の射殺事件を目にするたび、いまだ有色人種の人権が軽く見られている事実にがっかりするとともに、こうも思いました。
警官に殺されてるのは、黒人だけなのか?
同様に射殺されてる白人も同じようにいるのでは?
古いデータですが、2015年のワシントンポストの調査によると、15年の1月から16年の7月9日までで1502人が警官により射殺(正当防衛はじめ、理由は色々あると思われる)されていました。
その内訳は、白人が732人、黒人381人、その他382人。
おいおい、白人が一番多いじゃねえか。
こう見ると黒人だけが、差別が原因で、無残にも警官に迫害され、命を奪われているわけではないと言えないでしょうか。
しかしそうとも言い切れません。
・白人のアメリカ人口における比率は62%。
警官に殺された人数に占める白人の割合は49%。
・アフリカ系アメリカ人(黒人)のアメリカの人口における比率は13%。
にも関わらず、警官に殺された人数に占める黒人の割合は24%。
差別なく、公正に(かつ間違ったやり方で…)警官が公務を果たしたうえで、やむなく射殺されているとしたら、亡くなっている人種の比率は人口に占める比率とほぼ同等になるはず。
こうして数字で見ると、黒人の殺される比率は黒人の人口比率の倍ほどになる。
ここに差別の存在が疑われるのも無理はないと言えるでしょう。
つまるところ、銃社会の問題じゃないの?
ただ、白人もその他の人種も年に数百人単位で警官により、何らかの理由で射殺されています。
そして銃犯罪によって命を落としている人間は、年間何万人といる。
2017年には実に4万人が亡くなったそうです。
結局はこう思います。
大坂選手が心を痛めるような事件の根本の原因は差別にあるとしても、もし銃がアメリカ社会に存在しなければ、銃が法律で所持できない仕組みになっていれば、失われずに済んだ命はかなりあるんじゃないかと。
”目の前の人が銃を持っているかも。”
そう思わせるだけでも、身を守るために自分が引き金を引くきっかけになるには十分です。
銃の存在が不安を呼び、その不安が銃を撃たせる。命を奪う。
「護身に銃が必要」という意見は、そもそも銃の存在がなければ出にくい意見で、そこには誰かの利権を潤わせる何かがあるのでしょうね。。
その辺はマイケルムーア監督が得意とするところか。
まあとにかく、銃社会でない日本に生まれ育ってよかった。
と、自分の幸運を噛みしめながら大坂選手の快挙のニュースを見た日曜日でした。