コロナについて深刻なのは国民だけか?

こんなに静かなお正月は初めてだったかもしれません。

個人的には、大挙して初詣参拝し、銭を投げ、おみくじに一喜一憂するよりも、家でゆーっくり、おせちなどをつまみつつ、ビールなぞをちびちびやって、駅伝を走る大学生の足元を見て、NIKEかそうでないかなどをつぶやきつつ過ごすのが好きなので、あまり普段と大差はないのですが。

 

新型コロナウイルス武漢で最初に確認されてから、ちょうど1年になります。

相変わらず世界的に感染者は増え続けて、日本でもそれは変わりません。

 

独・メルケル首相の心の演説

 先月9日に、ドイツのメルケル首相がコロナについて話した演説を聞き(見)ました。

 ドイツに住んでいた、思い入れがある国とはいえ、殊更にメルケル首相を崇拝し、ドイツを政治的に支持するわけではありません。でもこの演説は日本の政治家に真剣味がないような気にさせられました。

 

そこには国民の心に寄り添う言葉と、一国のリーダーとして、国民に命を守るための必要な対策を訴えかける毅然とした態度にあふれていました。

 

例えば、下記のような、より具体的な、市民感覚の謝辞です。

次にお礼を申し上げたい方々は、ほとんど感謝されることのない少ない方々です。スーパーでレジ係をしている方々、品出しをしている方々、こうした方々の仕事は、現時点で行われている仕事の中でも最も大変な仕事の一つで、現在も働いておられます。町の人々のために、そして私たちが暮らしていけるように、出勤し続けてくださり、ありがとうございます。

 

戦い続ける医療従事者に感謝を述べた後、生活を支える必需品を扱う身近な労働者にも感謝を述べていました。

 

そして、最も印象的だったのは、

冒頭の”Es tut mir leid.Es tut mir wirklich im Herzen leid."という言葉。

訳すなら、「ごめんなさい。本当に、心からごめんなさい。」です。

 

コロナ感染予防のため、医療崩壊を防ぐために、あるべき日常の生活が送れないことに、一国の代表として謝っているのです。

そのあとも「あるべき日常生活が送れないことは非常につらいが、一日590人の死者という数字は受け入れられない。だから引き続き協力をお願いしたい。」

確信を持って申し上げます。連邦政府は、経済への打撃を緩和するために、とりわけ雇用を守るために、できる限りのあらゆることを行っています。

皆さんの会社とそこで働く方々がこの困難な時を乗り切れるために必要なことは、何であっても行うことができますし、行うつもりです。

と続けました。

 

正直、自分が直接に相手に損害を与えた場合以外では、そうそう謝らないドイツ人気質からして、驚きました。

と同時に、こんな気持ちのこもったことが、(たとえスピーチライターの書いた、レトリックなアピールとしても)日本の政治家はしているのだろうかと疑問に思いました。

 

さて、NIPPONの為政者たちは?

2020年12月14日のニコニコ生放送で「菅義偉が国民の質問に答える生放送」という番組に出演した菅総理は、「こんにちは、ガースーです」と笑顔交じりに挨拶。

明らかになった8人会食、自民党議員の80人パーティなど。。

どうにもゆるさと、我々との深刻さ の乖離を感じてしまうのです。

 

一都三県の知事らによる、緊急事態宣言の要望を受け、2度目の緊急事態宣言に踏み出した政府。

 

この異常事態に、政治家たちの舵取りも簡単ではないと思います。

こうしたら皆が救われるというウルトラCなどありえないことも分かっています。

だからこそ、国民の心が少しでも救われる、為政者たちの”言葉”が欲しいと思う今日この頃です。